医薬品の承認申請資料の作成に関して、
薬事法施工規則第43条に”承認申請資料の信頼性の基準”というものがあります。

この法律が、私のGxP QAという業務のベースになる法律です。
医薬品の承認申請に関すること、副作用情報に対する取り扱いについえは、ICH(International Conference on Harmonaization)という国際会議で、統一化が進んでいるところですが、日本国内では、この信頼性の基準をベースに、さまざまな法的対応がとられています。

医薬品の承認申請資料については、CTD(Common Technical Document)として、国際的にもハーモナイズが進んでおり、ここで、下記のように構成が示されています。
このうち、QA(Quality Assurance 品質保証)が求められているのは第4部の非臨床試験のところと、第5部の臨床試験のパート。他にも社内的な対応でQAを設定しているところもありますが、基本は、この2つのモジュールで、QAが求められています。

第1部(モジュール1) 申請書等行政情報及び添付文書に関する情報
この部(モジュール)には、例えば、当該地域における申請書又は添付文書(案)といった各地域に特異的な文書が含まれる。この部(モジュール)の内容及び様式については、当該規制当局が定めることができる。

第2部(モジュール2) CTDの概要(サマリー)
第2部(モジュール2)は、薬理学的分類、作用機序及び申請する効能又は効果等の当該医薬品の全般的な概略から始めること。原則として、この緒言は1ページ以内にまとめること。第2部(モジュール2)は、品質に関する概括資料、非臨床及び臨床に関する概括評価で構成すること。それに引き続き、非臨床試験に関する概要文及び概要表、並びに臨床概要を提出すること。これら概要の個々の構成については、CTD-品質に関する文書の作成要領に関するガイドライン(M4Q)、CTD-非臨床に関する文書の作成要領に関するガイドライン(M4S)、及びCTD-臨床に関する文書の作成要領に関するガイドライン(M4E)のそれぞれのガイドライン中に規定するものである。

第3部(モジュール3) 品質に関する文書
品質に関する資料を、CTD-品質に関する文書の作成要領に関するガイドライン(M4Q)に記載された様式で添付すること。

第4部(モジュール4) 非臨床試験報告書
非臨床試験報告書を、CTD-非臨床に関する文書の作成要領に関するガイドライン(M4S)に記載された順序で添付すること。

第5部(モジュール5) 臨床試験報告書
臨床試験報告書及び関連資料を、CTD-臨床に関する文書の作成要領に関するガイドライン(M4E)に記載された順序で添付すること。

具体的には、次の3つのことを順守するよう、この法律では求めています。

第1号 正確性
当該資料は、これを作成することを目的として行われた調査または試験において得られた結果に基づき正確に作成されたものであること。(第1号)

第2号 網羅性、完全性
前号の調査または試験において、申請に係る医薬品または医療機器についてその申請に係る品質、有好性または安全性を有することを疑わせる調査結果、試験成績等が得られた場合は、当該調査結果、試験成績等についても検討及び評価が行われ、その結果は当該資料に記録されていること。(第2号)

第3号 保存
当該資料の根拠となった 資料は、法第14条の規定による承認を与えるまたは与えない旨の処分の日まで保存されていること。ただし、資料の性質上その保存が著しく困難であると認められるものにあっては、この限りではない。(第3号)

また、この中で、特に具体的に、承認申請資料の品質を求めている部分が、
非臨床試験の安全性試験(毒性試験等)であり、臨床試験です。
この2つについては、別に、それぞれ省令を定め、品質管理の徹底を促しています。

GLP基準
医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施に関する省令(平成9年厚生省令第21号)
GCP基準
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)

この2つの省令で出てきている、信頼性保証部門(GLP)、監査部門(GCP)が、私の仕事のQAに当たる部分になります。

今回は、ここまで。 
次は、同じ申請資料の構成の考え方で、イロハニホヘトについて、解説します。