第29回サロマ湖100kmウルトラマラソン 走ってきました。

6月29日 第29回サロマ湖 100kmウルトラマラソン走ってきました。

記録は11時間46分。
目指した10時間台の記録は達成できませんでしたが、完走できてとりあえず満足。
北海道のサロマ湖ですが、最高気温28度、日陰のほとんどないコースで、暑さと日差しに苦しめられましたが、そこでの完走できたことに満足sています。
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いつも、前半から、少し飛ばしぎみに走ってしまう自分ですが、
今回は、6分/kmを心に決め、スタート。
10km:60分
20km:1時間58分
30km:2時間59分
40km:4時間3分?
とほぼ、予定通りのペースで走りましたが、
45km過ぎからはペースダウン。

それでも、中間のエイドで少し休んでからの再スタートで、復活し、
6分台半ばくらいで、途中まで、おそらく72kmくらいまでは、走れたようです。

その後、並走していた女性が私の前に出たのを期に、
気が緩んでしまって、ペースを落としてしまったら、このあと、ペースが上がらなくなりました。

72km-82kmくらいまでの間は、おそらく8分/km
その後、何分か復活はしたものの、最後はまた8分/km 
これでなんとか、11時間台でゴールにたどり着けました。

しかし、きつかった。けど良かった。

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漸く看板を設置しました。

事務所を開設して、半年余りですが、
漸く、事務所の看板を設置しました。

入口が狭く、普通の表札が使えそうになかったので、考えがまとまりませんでしたが、
結局、私の名刺のまんまのデザインで、入口2か所に表札、看板を設置しました。

名刺のまんまですが、私の夢、気持ちがこもっている表札/看板です。

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阿蘇カルデラスーパーマラソン ナンバーカード引き換え券届きました。

阿蘇カルデラスーパーマラソンの ナンバーカード引換券が届きました。
1年待った、ナンバーカード。
昨年、バカな話ですが、直前の朝2:30ごろ、暗い中でトイレに向かう途中、突起物があり、転倒・・・しそうになるところを右足で踏ん張ったら、右も臀部を肉離れしたもよう。そのまま、なんとか足は動いたので、走りだしました。しかし、35km付近で、痛みが耐えきれなくなり、ついにギブアップ。マラソン初の途中棄権。

甲子園を目指した高校3年の時も、最後の夏は右ひじをやられて、背番号18で、最後の夏をベンチで終えた。
その時の悔しさ・・・これを思い出すくらい、悔しい50歳の阿蘇カルデラでした。

しかし、現在の気持ちの高ぶり方は、、この年にして、楽しい、いい気分です。
年取ってからでも、こんなチャレンジャブルな気分にさせてくれるスポーツに出会えたことはラッキーですね。

いざ、100kmの旅。そして、目指すはスパルタスロン。

報告書を書きながら、一人で感激(GCP Global Audit Guidelineの編纂について) 

 今日の午後、だいぶ遅くなりましたが、先日米国・ラスベガスに出張した時の派遣報告書を書いてました。報告書を書きながら自分で感激(涙腺に来ました)してしまいましたので、ここでも簡単ですが、その内容を報告しておきます。

 派遣内容は、4th Global Quality Assurance Conference(4thGQAC)の中で開催される、Global Audit Guidelien というセッション、パネルディスカッションへのパネラーとしての参加でした。
 このガイドラインは、米国、英国、そして日本のそれぞれの国の関係団体の代表者が参加して作成した、臨床試験の監査のガイドラインですが、もともと、日本のグループからの発案で、米国および英国の関係団体に話を持ちかけ、日本から提案した監査ガイドラインの修正、そして監査の現場で使用する9つの個別の補遺(アッペンディックス)を編纂したものです。
 私はこのガイドラインに積極的にかかわったメンバーではないのですが、いろいろな立場でこのプロジェクトの進捗と並走して今日に至りました。2007年に米国でこのガイドラインのプロジェクトを提案し、足掛け7年かけて、ガイドラインをほぼ完成させることができ、無事、4thGQACという国際会議でその内容を報告することができました。
 7年間という時間で、本当に沢山の方がこのプロジェクトにかかわり、特に最後のほうでの、JSQAのK林さんや英国のGさん、米国のEさんの活躍は素晴らしいものがありました。
 そして今までかかわってきたいろんな方の顔などが浮かんできて、派遣報告書を書きながら一人感激していた次第です。
 皆さんに最高級の賛辞を送りたいと思います。
  本当に素晴らしい仕事でした。
  お疲れさまでした。
  本当にありがとうございました。よかった。よくやった!!

パネルディスカッションでは、会場には約200名ほどの聴衆がおり、皆さんに感心をもって聞いていただきました。
今後のこのガイドラインがいろんな場所で活用されることを祈ります。

ちなみに、ガイドラインとそのアッペンディックスは、JSQA、SQAおよびRQAのそれぞれの団体の会員専用のサイトで閲覧することができます。

今日も怒涛のような一日で

私自身、いろんな活動をしていて、毎日忙しいと感じながらも、
私は○○で忙しいんです。。。。という言葉が使いにくい。

私の一日を振り返ると
3:50起床 
4:00 GCP監査関係業務処理 (2案件)
5:30 ランニング 大山祇神社まで 15.5km 1時間25分
7:20 朝食
8:00 届きもの書類整理(区長業務、手をつなぐ育成会、監査関連データ)
10:30 仮顧問先との面談
11:30 鳥栖市手をつなぐ育成会 補助金実績報告、交付申請資料作成
12:00 鳥栖商工会議所 経営研究会 役員会
13:00 午後の会議予定 キャンセル(鳥栖三養基地区自立支援協議会運営会議、夏休み教室実行委員会、鳥栖三養基地区**会議?)
14:00 鳥栖市手をつなぐ育成会 補助金実績報告、交付申請資料作成(主に、鳥栖市手をつなぐ育成会予算、事業計画)
16:00 鳥栖市社会福祉課へ 同資料提出
16:30 フランスL-I社からの委託業務 処理・・・
20:00 事務所に来客(顧問先 経営改善計画について)・・・食事をしながら、打ち合わせ
21:30 打ち合わせ終了 (本日の業務終わり)
23:00 おそらく就寝

GCP監査準備3本、GMP監査報告 2本、GMP監査準備 1本、GMPセミナー準備、顧問先のバンクミーティング(3件分)
ここに、区長業務、育成会業務が加わり、更にランニング。

一番案内等の書類が多い、区長、育成会の資料の整理が追いつかなくなってきているのが、いかんなと思いますが、一面しょうがないとも思います。もし、仕事を拒まなかったら・・・6月いっぱいまでは紺状態は続きそうです。

商売繁盛・・・いいことも、わるいことも、丸ごと受け止めて、正々堂々といこう。

すでに一カ月が過ぎました。

すでに1か月が過ぎてしまいました。

会社の仕事で、やろうとしていたことがまだできていません。

いろんなことで時間をとられ、気になってしまい。
優先順位をつけられずに、目の前の仕事に取り組んでいます。

GxP QA コンサルティング、診断士業の仕事、今回本格的に取り組み出した翻訳業。
それぞれ徐々に独立体制を築いていきたいと思います。

早く準備しなくては・・・

また、GxP QAコンサルについてもブログ再開します。
しばらくお待ちください。・・・待っている人は? 実は私自身だったりして、私にとっては頭の整理ですが。

あけましておめでとうございます。

昨日、昨年の事業および個人の活動を振り返り、いろいろと書きましたが、

今日は、今年の抱負について、簡単に語っておきたいと思います。

今年も、例年通り、診断士としての活動、GxP QAコンサルとしての活動、その他、区長、手をつなぐ育成会役員としての活動をやっていくことになりますが、特に、会社の事業にもっと注力していこうと考えています。

会社の事業については、「経営の革新」を行うことを念頭に、
「事業の拡大」および「新しい事業への着手」を行っていきたいと思っています。

1.事業の拡大については
昨年末から着手した、GxP QAコンサル業務及び翻訳業務の本格的なテコ入れを行うことを念頭に、
1.まずは翻訳事業から生産性のあるものにしていくこと、
2.GxP QAコンサル業務をコンサルティングとQAサービスの二つのサービスに分け、
  それぞれで A.コスト、B.スタッフの養成(育成と外侮活用)、行っていきます。
 したがって、監査サービスについては値下げ?、コンサル業務については、現状か高めの値段設定 になるかと思います。
3.診断士業務を含め事業の方向性を「人材の育成(会社内・外)」に置き、
人の成長を支援する事業展開を行ってきたいと考えています。

「人を成長させるために自分自身も成長する」もしくは「人を成長させるということは自分自身も成長する(ということ)」こんな相乗効果も期待して、このようにしました。

2.新規事業への着手 については、
福祉事業、まちづくり事業を念頭においた、可能性探査に加え、
海外の障害者福祉の現状、特に発展途上国での知的障害者の状況に関する情報収集、
そして、BOPビジネスとしての、発展途上国への食料品の輸出(特に飢餓に苦しむ国)が可能とならないか、
を検討してみたいと考えています。

福祉事業については、純粋に会社の事業としてだけを考えているわけではありませんが、
実家付近でのグループホームの可能性を考えています。

以上ですが、
思っているだけでは、形にならないので、
まずは、事業の拡大について、経営革新計画を作成したいと思います。

急ぐべし。

今年の振り返り—-公私 すべて。

今年の振り返ってみます。
どうしても書けないような思いもありますが、明日につなげられるように書いてみます。

まず、仕事関係
1.GxP QA コンサルタントについて
開業以来、サービスとして、仕事をしていましたが、ことしの春から仕事の依頼が続き、好調にスタートしましたが、
途中、他の仕事も忙しかったこともあり、自分で感じましたが、サービス品質の低下がありました。
それが原因で、仕事(監査業務)の依頼のスピードがダウンしました。

また来年から、新たに仕事がスタートしますが、
サービス品質の向上と、仕事のやり方そのものも変えていきたいと思っています。

GxP QA コンサルティング業務と翻訳業務をつなげ、
この業界「製薬、医療業界」の人材育成に繋がる支援を行っていこうと思います。

GxP監査業務に限らず、国内外の医薬情報を、翻訳等の技術を使って、みんなに提供していく、
教育・訓練の機会も積極的に提供していく、ビジネスモデル作っていきたい。
そんな、感じで、来年度の事業に着手しようと思っています。

「国際薬事を極める」別の切り口だと、こんな言い方もできそうです。

2.中小企業診断士業務
こちらは、佐賀県中小企業診断協会としての業務が多くなりますが、
6次産業化、産業支援相談事業、よろず相談室事業等、を行いながら、
顧問先の支援とやはりここでも、「人材育成」をテーマとして、
情報提供およびセミナービジネスを展開してみたいと思っています。
特に「シーダーシップセミナー」はやって見たいと思っています。

構想、スタッフ(チーム構想)はあるので、是非、形にしていきたいと思っています。

3.上記の2つの仕事を併せて、
今年の10月から、自宅近くに事務所を借りて、2人を雇用することになりました。
やはり、気になるのは、固定費。

まだ、事務所を構えたからといって、生産性が増加したわけではなく、
一定の生産性を確保するには、しばらくは我慢が必要です。

しかしm我慢ばかりでは解決しないので、
GxP QA、翻訳。中小企業診断士 それぞれでできることを手を抜かずにやる。
これを信条に、3人で頑張りたいと思います。

GxP QA に関しては、もう一人専門家のパートナーがほしいです。
私の事務所(会社)の特徴は英語力ということになりますが、
上記の専門家の場合、そこをとわず、外国、国内に契約コンサルタントを確保したいと思っています。
(特に、GCPとGMP)
英語については、英語が(ある程度)使えるCRCや薬剤師、臨検技師のような人が適任で、
育てながら専門性を高めていくような人材育成をしていきたいと考えていますが、

資金面を含め、しばらくは厳しいかじ取りが迫られそうです。

4.手をつなぐ育成会関連、障害者支援の仕事
私のライフワークで、今後も続けていく活動ですが、
今年もなかなか、育成会の会員が集まらない、協力者がいない、少ない、そして仕事が忙しい中、
孤軍奮闘した感があります。

もっと時間があれば、
もっと協力してくれる人がいれば、
もっと自分にマネージメント能力があれば、
などと、毎回、回想し、今はしょうがない。。。と自身で納得しながら、ことしも進んできました。

鳥栖市手をつなぐ育成会の会長、佐賀県手をつなぐ育成会の副会長 という役職で、
ほんとに休日はなく、平日の会議に出なければならないことも多いので、
ストレスのかかる仕事が最も多いのがこのエリアの仕事(ほぼ無給)ですが、

個人的な、ライフワーク(障害者支援)の仕事であることと、
私の将来ビジョンに
”障害者雇用1万人の企業をつくる”
を掲げていますが、そのためには、
やはり、このエリアでの見識も高めていくことも私自身に求められているものと考えています。

なので、文句を言わず、前に進めます。

5.区長としての町の仕事(お世話)
今年の春、市会議員に出る、出ないの話で、区長を辞めることも考えていましたが、
結局、継続を決断。

市会議員に推してくれた方たちには申し訳ありませんが、
個人的には良かったと思っています。

この問題に関して、たらればは、数限りなくあるように思いますが、
市議会議員に出なかったことは、ある意味自然な流れに沿ったものと感じるので、
個人的には、今は完全に納得できています。

それよりは、「障害者雇用1万人の会社を作る」だけを考え、
仕事にまい進することが大事なことだと、改めて思っています。

さて、今年で、区長業務2年がたちました。
故藤田区長が亡くなってから、急きょ、引き継いだ区長の仕事ですが、
町の仕事で面倒をみることにもやりがいは感じてます。

障害者支援も中心は地域共生、ノーマライゼーションですが、
区長という役職は、これをもっとも身近で実践できる役のように思います。

なので、これを実感できるような活動ができるようになるまでは、
この仕事続けないといけません。

しかし、永く役にとどまっているだけではだめなので、
今見えている形を速く実現したいと思います。

まずは、災害対策から。

6.体に関すること
今年もいろいろありました。
ラインニングは怪我に悩まされながら、年間走行距離は昨年を上回りそうです。
体もだいぶ絞れたように感じますが、来年は、一層絞りこんで、50歳代の力を試してみたいと思っています。

印象に残るのは、阿蘇100kmでのスタート直前の怪我、
練習不足で臨んだ四万十ウルトラでの完走。

そして、100km完走で満足している自分とランにスピードが出なくなっていることが、残念に感じている自分がいることにきずきました。

そして来年の目標ができました。
100kmマラソン 3回 完走
42.195km フルマラソンで 3時間42分を切ること(自己ベスト)

これができるころには、体脂肪率も10%をきる体ができているかな?

来年の自分にこうご期待。。。自分が一番期待していたりして。。。それしかないか!

GxP QA コンサルタントという仕事 GCPについて(10) GCP適合性調査-1 

今朝は久しぶりに息子とマリンワールドへ行きました。
私のスケジュールの特徴かもしれませんが、土日、夕方以降から用事が埋まります。
なので、最近もずっと休日になると朝から外に出ていくので、朝、息子もがっかりすることが多かったようです。

今朝は、私が家内を空港まで送っていく予定だったので、息子も着替え、一緒に出かける構えでしたので、
一緒に福岡空港まで送り、そのままマリンワールドへ行きました。

息子の大好きな場所の一つで、ちょっと罪滅ぼしができたかなって感じです。
しかし、午前中で家に帰ってきたので、息子は消化不良のよう。
仕事も残っているし、仕方ないですね。

さて、ちょっと間が空きましたが、今日からGCP適合性調査について少し話をします。
我々のQAの仕事は、このGCP適合性調査を意識して行いますが、この調査の行為の内容がそのまま、私たちの仕事といってもよいようなものです。

ですので、どういう視点で、データ調査が実施されるのか、何を確認されるのか、といったことを研究することが我々の仕事の質を上げていきます。

今日は、まず最初のところなので、具体的な内容は次回以降に回すとして、
日本では、PMDA(Pharmaceutical and Medical Device Agency 独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が査察当局として、GCP適合性調査を実施します。

PMDAのような組織のことを、英語ではMonitoring Authorityといいます。
英国では、MHRA(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)
米国では、FDA Food and Drug Administrationがそれに当たります。

しかし、英国、米国とも厳密には、医薬品・医療機器の国内の管理体制の内容が異なるため、まったく同じ機能の組織ではありませんが、これらの組織を査察当局、規制当局ということばで表現します。

これから説明していくGCP適合性調査に関しては、
実際にPMDAが調査実施場所で使用する、GCP適合性調査チェックリストというものがあるので、この内容にそって解説をしていきます。

日本では、このチェックリストと運用通知がそのマニュアル的なものになりますが、
米国では、Compliance Guidance Manual、英国では、日本と似たような調査に際してそろえておくべき文書についての案内通知がありますので、項目によっては、それらに対比しながら、日本の適合性調査を説明していきたいと思います。

といいつつ、今日は、出かける時間になってしまいました。
具体的な内容は次回以降に記述します。

それでは。

GxP QA コンサルタントという仕事 GCPについて(9) 実施医療機関

また、ブログの間があいてしまいました。
理由は「忙しかった」の一言になりますが、
事務所開設依頼の事務所体制の整備、仕事の〆切、海外出張などなど。
いつものことであるが、メール一つ、電話1本ですむようなことについても、その「時間がない」と感じる今日この頃。
友人から「忙しい」をブログに書いちゃダメ、といわれるが、ときどきはお許しいただきたい。

私のブログ、Facebookは、多くは走る話題。
100kmマラソンの時の膝の負傷もほぼ癒えてきたので、改めてランニング活動も始動しました。
次は12月8日の青島太平洋マラソン 3年ぶりくらいになるような気がしますが、3回目です。
練習不足ではありますが、とりあえず走ってきます。

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さて、今まで、GCPについて、スポンサー(治験依頼者)の立場で、その役割を書いてきましたが、
今回は、実施医療機関の立場について、少し書き始めてみたいと思います。

臨床試験は、多くは製薬会社が企画・計画し、医療機関で実施する、という流れになります。

臨床試験を実施する前に、毒性試験、薬理試験、薬物動態試験など、非臨床試験と呼ばれる一連の試験を実施しますが、
これらは、一つの場所、研究所で実施されるので、比較的コントロールは容易です。
といっても、非臨床試験の中でも細かいルールがあり一概にそういうこともできないではありますが、

臨床試験と非臨床試験の一番の違いは、
1.試験を計画した人と実施者が違うこと
2.多くの場合、試験の実施現場が多施設にわたること

他にもありますが、上記の2つの要因が、臨床試験の難しさを感じるところです。
自分以外、自社以外の人たちの協力を得て、試験を実施することになるので、「暗黙の了解」は禁物で、
参加するさまざまな人たちを統制できるルールを整備しないと試験が成立しません。

臨床試験を実施するためには、治験依頼者の中の役割も相当量がありますが、医療機関に役割もまた大変で、
もし、一人で全部をやろうとすると、気が遠くなりそうな作業量があります。

さて、前置きがまた永くなってしまいましたが、
臨床試験を実施するうえでの、実施医療機関の中の役割としては、以下のような登場人物、機関があります。
1.実施医療機関(Institution)
2.治験責任医師(Principal Investigator)
3.治験分担医師(Sub-Investigator)
4.治験コーディネータ(Clinical Research CordinatorまたはStudy Nurse)
5.治験薬管理者(Pharmacist)
6.治験事務局(日本のみ)
7.治験審査委員会(Institutional Review Board)または治験倫理委員会(Ethics Committee)

海外では、極端な話ではありますが、治験責任医師と治験審査委員会があれば治験の実施は可能ですが、
日本では、100%ではありませんが、上記のスタッフがそろっていないと治験の実施はできません。

まず、1の実施医療機関ですが、
海外では、臨床試験を製薬会社と治験責任医師の直接契約で実施するので、
この規定はありません。しかし、日本では臨床試験を実施する場合、まず、医療機関と契約することになるので、
ICHでも実施医療機関の言葉もでてきます。

最近は、治験を請け負う医者(MD)の方も、特定の医療機関に所属せず、専門医として、さまざまな医療機関と契約して活動される先生も多いので、治験の現場では日本でもかなり欧米化が進んでいるようにも思えます。
しかし、お医者さんは、医療機関に属する(雇用されている)というイメージがあるのか、日本では、この規定があります。

その中で、その役割として、
治験責任医師、分担医師の指名、
治験薬管理者の指名などの役割があります。

治験を請け負う医療機関では、手順書・規定も整備しておかないといけないので、
これらの役割については、病院長の名前が、治験契約、治験の依頼、治験の審査などの場面で、出てくる程度になります。

無視することはできませんが、臨床試験の現場では、ほとんど名目上の登場になっているように感じることもあるので、
おそらく、10年度?くらいには、日本での臨床試験でも、GCP上のこの役割はなくなっているのではないかと思います。

しかし、この項目については、日本では無視できない項目ですので、
改めて別の機会、GCP適合性調査の場面を想定した内容の説明を考えていますので、そこで、話をしたいと思います。

次に、
2.治験責任医師、治験分担医師についてですが、
臨床試験を実施する最も重要な役割になります。臨床試験で計画されている内容をカルテ中に、被験者を評価した内容および結果、試験の実施内容を記載し、その結果現れる症状を記載していきます。

つまり、このデータが「生データ」、治験では「原資料」といい、臨床試験の大元のデータとなります。
このデータが、医薬品の開発の中で必要とされているデータであり、このデータを得るために、また、正確なデータを得るために、
組織体制および試験のプロセス管理がGCP(Good Clinical Practice)として要求されています。

カルテへの記載内容が、医師の最大の役割ですが、
被験者の数が多くなり、タイミングも一様ではないので、これらの医師の役割を補完する役割として、

3.治験コーディネータの役割があります。
もともと、臨床検査技師や看護師、薬剤師といった資格をもった人が、
その資格でできる医療行為(投与、採血、カルテへの実施内容の記入等)を治験責任医師に変わって代行します。

治験でカルテが原資料になりますが、
このデータを計画した試験通りに整理して、収集するために被験者ごとに、「症例報告書」という書式が用意されます。
ここに治験で計画したデータを収集していくことになりますが、ここで原資料から症例報告書への転記という作業が行われますが、
この作業を主にCRCが実施し、その記載内容を治験責任医師が確認し、治験依頼者へ報告していくという流れで、治験が実施されていくことになります。

次に、
4.治験薬管理者ですが、
治験薬の管理手順書という文書が、治験依頼者から作成され、治験実施医療機関の薬剤部、もしくは治験事務局の中に設置された薬剤師が、治験薬の保存、払い出しおよびその記録を担当します。

また、役割の手順にもよりますが、盲検試験を実施している時は、その盲検性がきちんと保たれているかどうか、については
治験薬管理者の作業内容も重要になってきますので、その手順に従った、適切な管理が必要になってきます。

5、IRB(治験審査委員会)については、
また別の機会にも説明しますが、治験が実施されるにあたり、被験者、患者の人権および安全を守るために、
利害関係のない第三者である専門家にその判断をゆだねたものであり、

日本では、主に各実施医療機関に設置されており、
海外では、地域および中央にそれぞれ治験審査委員会または治験倫理委員会という名称で、設置されています。

例えばヨーロッパでは、臨床試験を計画するに当たり、
治験の計画を規制当局に申請して、治験を実施することになりますが、
規制当局への申請とともに、Ethics Committee(倫理委員会)にも、同様に必要な資料を提出し、
所定の期間内にコメントが帰ってこないことを確認してから、治験を開始するようになっていますので、
その役割の重要性は理解できるものと思います。

さて、ここまで、GCPについて、治験依頼者(スポンサー)の役割及び実施医療機関の役割について、述べてきましたが、

次回からは、
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の書面調査・実地調査の内容に沿って、
治験の実施に必要な事項を解説していきたいと思います。

重複する内容も多くなりますが、
角度を変えてみることで、その理解は進むものと思いますので、私自身の再理解も含めて、書いていくことにします。