医薬品開発とICH-Q10

今日は、先週からGMPの仕事で、現在報告書作成中ですが、
並行して、ある雑誌の投稿論文も今週中?この週末中?に書き上げないといけません。

頂いたお題は治験薬開発とICH-Q10.
ICH-Q10・・・医薬品の品質保証システムの話で、医薬品のライフサイクルを考えると、かなり幅が広い。
開発というところに焦点をあてると、すこし絞られてきますが、

ポイントはISOで要求されているマネジメントレビューとリスクマネジメント。

多くの経営者が分かりにくいと思っている研究開発の部分を、
いかに分かりやすく、マネジメントしやすくしていけるかが、これからのポイントになってくる。

医薬品開発においいて、GLPやGCPと比べ、GMPの分野は、外部の企業・団体とのコミュニケーションが少ない。
効率的なリスクマネジメントの方法、分かりやすいリスクマネジメントの方法により、

より効果的な生産管理の仕組みを考えるのがICH-Q10の目的です。

これから、各社で試行錯誤が続くと思いますが、
経営に役立つGMP管理・・・これを一つの方向性として、考えていただきたい。

GCP-QA担当者募集

あまり多くの方に見てもらっているとは感じていない、媒体ですが、
もし関心があれば、牧崎まで連絡ください。

GCP監査を担当できる方を募集します。
九州で働きたいと思っている人、
監査を経験したことのある人、
臨床試験モニター経験者、
DM,QC経験者

これからときどきこんなブログも上げていきますが、感心のある方は、メール、電話でご連絡ください。

牧崎 茂
株式会社プロアクティブコンサルティング
牧崎中小企業診断士事務所
〒841-0005 弥生が丘事務所
佐賀県鳥栖市弥生が丘7丁目25番地
Tel:0942-50-8183 Fax:0942-50-8184
mobile:090-7928-2880
e-mail:makizaki_s@pacjp.com
HP:http://www.pacjp.com

何やってんだか。忙しすぎる休日?

昨日、またまた、ダブルブッキングをやってしまいまい、ミーティングをひとつすっぽかしてしまいました。
後ほど謝っておかなくては・・・

しかし今日も、なにやら、かにやらで忙しい。
一番は、本業のQAの仕事。現在、レポートが3本溜まっており、うち一つは週末中には書きあげないといけない。
それに、以前の報告書の修正が1本。でもこっちは軽い。それに、監査計画を一本。(これは中程度)

一日じっくり取り組める時間があれば、なんてことない仕事の量であるが、なかなかそうはいかない。

本日、午前中、地区社会福祉協議会の研修会。
区長としては、いかなくてはいけないところですが、このあとのことを考えると、上記の仕事を優先させるしかない。
午後からは、今日明日(7/26-27)で実施する地区の子供クラブのキャンプ。

近くの田代公園でのキャンプであるが、お手伝いをする親をいれると、100人を超える。ちょっと大がかりなキャンプ。
低学年、幼児も参加するキャンプとなる。これも区の行事なので、お手伝いをする。

このお世話は夜まで続くが、夜は隙があればトーストマスターズ。(こっちは私の息抜きの場なので、忙しいけどいきたい)

そして明日は佐賀県手をつなぐ育成会の佐賀県大会が白石であり、朝8時過ぎには現地にいないといけない。
今回は分科会もなく、出番は少ないが、役員(副会長)ではあるので、仕事はある。これが後片付けを含め、夕方まで続く。

いやいや、仕事が仕事が、明日のよるから朝にかけては、厳しい時間になりそう。

いろいろやって自業自得なんですが、
最近、仕事、ビジネスに集中したい。拡大したい。
そんな感じで思うようになりました。

GCP 必須文書で変だなぁと思うこと

こんばんわ。

残念ながら四万十川ウルトラマラソン(100km)の抽選は落選でした。

今年は3本100kmを走ろうと思い、阿蘇カルデラ、サロマ湖、そして四万十川と3本に申し込み、エントリーしましたが、
四万十川だけは完全抽選で、結局落選でした。

今年に入って、今までで一番練習していますが、今のところ、その結果が出ていない。
出せていない。自己ベスト。
100kmを走れる体力、強い自分に憧れて、100kmのエントリーを数本計画しで自己ベストを目指しました。
しかし、いままでのところ、思うようには行っていません。

まだ、何かが足りない。気になる点は分かっている。
年齢のせい・・・これだけは理由にしたくない。
それでも、まだ、トライできる方向はある。
そう思い、気を引き締めて、一歩下がって、自分の足りていないところにチャレンジする。
今はそんな気持ちです。

四万十川ウルトラマラソンは落選しましたが。
代わりに・・久しぶりの出水ツルマラソン(42.195km)を申し込みました。
朝、10時に、青太(42.195km)の申し込みも完了しました。
あとは、8月頭に募集のある金峰三山山岳マラソン(42km)を申し込む予定です。

100km、トレール気になるレースはありましたが、今年の今までの反省もあり、フル3本。
(金峰三山山岳マラソンはイレギュラーですが)

この3つで、今年出せてない自己ベストを目指します。
まずは10/19 相性のよい出水ツルマラソン。に向けて、頑張って調整したいと思います。

さて、今日は、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
GCPの必須文書で変だな。。。と思うこと。です。

一つは、必須文書の一つとして求められている「署名・印影一覧」
そして、もう一つは「治験分担医師・治験協力者 リスト」

もう一つあるのですが、それはまた次の機会に話すこととします。

まず、「署名・印影一覧」ですが、
日本特有の必須文書になります。
海外だとこれに該当するものが、Signature and delegetion form もしくはDelegetion logとして、
治験に参加する各担当者の役割とその人の署名、イニシャル等の簡易サインがこの中に記入されます。

これに対し、「署名・印影一覧」ですが、署名の部分については、同じ機能があるといえますが、
完全に片手落ち。

この必須文書については、次のような説明があります。
「症例報告書の作成、変更、修正を行う治験責任医師、治験分担医師及び必要に応じ治験協力者の署名と印影を示した文書」

しかし、治験にかかわり、文書の作成にかかわる人はたくさんいます。
「治験薬のAccountability」の記録や、CRFに直接記入はしないものの、その原資料となるワークシート作成にかかわる人もいます。

その人たちの署名や印影の根拠となるものが、必須文書とされていない。
いろいろな文書を作った根拠となるデータを作った人を、この印影からは特定できない。

しかし、現場でこのことを問題とすることはできない。
なぜならば、症例報告書作成にかかわっていない人は、署名・印影を残す必要がないから、、、である。
分担医師で、治験に深くかかわり、ワークシート(原資料)作成にかかわっていながら、対象外なのである。(署名、印影は必要ない)

最近、EDCが多く、症例報告書に直接、記入、署名することのなくなった最近、特に不自然な必須文書の一つとなっている。

それから、もう一つの「治験分担医師・治験協力者 リスト」である。
先ほど、少し出てきた「Signature and delegetion form もしくはDelegetion log」との比較になるが、
この文書も全く不自然である。

PMDAからだされている必須文書のフォームに含まれるので、否定することはできないが、
この中には、治験分担医師と治験コーディネータが記入される。しかし、治験薬の担当者人は記入されない。
なぜ? 治験協力者って何? て感じであるが、

最初にこのフォームを作った人は、そういう意図で作ったんだろうか?
いつの間にか、慣習でそうなったのでは、、と疑いたくなるような必須文書である。

まったく意味のない文書とまでは言わないが、不完全な文書である。

いずれ、日本でも、この部分については、修正が加えられてくると思うが、
なんか変だな、、と思い、今日改めて書かせていただいた。

もう少し、きれいな文章として書いたらいいような気もするが、そのことは、また改めて考えたいと思う。

今日は、この辺で。

台北での仕事終了

はじめての台湾・台北での仕事でしたが、
とりあえず任務終了。

今から報告書作成・・・早く仕上げないと、また次の仕事が待っている。
これからしばらく、どこまで仕事の効率と質を追求できるかがカギとなりそうです。

この仕事(QA)忙しくなってきていますが、今回の仕事(現地での任務)を終了し、ますますニーズの高さを感じています。

通常は中小企業診断士、経営コンサルタントとして、
相談にきたかたのビジネス支援/アドバイスをする仕事をしてますが、

そろそろ自分の仕事を、本格的なビジネスとして確立できるよう体制の整備を急がねば。。。と気持ちを新たにしています。

仕事の効率を上げながら、時間をつくり、展開の構想を練って実現していきたい。

必ず!

QA 業務について

QA 業務といって、分かる人は少ないかもしれないが、
私、私の会社のメインの業務になりつつある。

もともと、中小企業診断士としての経営コンサルタント業、前職(製薬会社 薬事 特に Quality Assurance:QA)の分野での経歴を本に、QA業務を受託し、運営している。

事業のスタート時は、中小企業診断士の先輩方の協力もあり、診断士業務を中心に、スキルおよび業績を伸ばしてきた。
伸ばしてきた・・・というと、個人事業なので少し語弊のあるレベルではあるが、堅実に、実力をつけてきました。

QA業務のほうは、特に営業をするわけでもなかったので、一時は、この業務をやめて診断士業に専念しようかと考えていたこともあった。

そんななか、セミナー機関からの要請で、GCP、GMPのそれぞれの講義をもつ機会ができた。
その後、外資系の企業特に、まったくの外国の企業(日本に事務所がない)などから、GCP監査、GMP監査の依頼が来るようになり、
最近では、毎週、国内外を飛び回るようになってきた。

一般の士業及び個人事業者だとすると、この状態がいつまで続くか・・・という風に考えがちであるが、
英語を強みとしたQA業務を展開すると、かなりのニーズがあることが見えてきた。

また、国内の競合も今のところ少ない。。。。ない、とは言わないが、かなり少ない。

このような状態であるので、診断士的に、自分自身の事業を分析すると、将来的な可能性が大きく膨らんでいるのが現状である。
そろそろであるが、戦力となるGCPあるいはGMPの監査担当者の獲得活動をはじめたい。

以前から契約コンサルタントは募集しているが、今のところ応募はない。
英語が使えるスタッフの確保はできているので、GCP監査、GMP監査に感心のある方、少しでも薬業にかかわったことのある方、育成及びチーム対応を含め、ともに仕事をできる環境を作っていきたいと思う。

もし、現在、薬業界にいて、九州で仕事がしたい。。。と思っている方、いませんか。

私の夢は、障害者雇用1万人を達成する企業をつくること。
私と一緒に仕事をすることで、おもしろい人生が待っているかもしれません。

感心のある方、是非、ご一報ください。

メール:makizaki_s@pacjp.com

しかし、忙しい。。。って書いちゃダメ、と友人に指摘されたこともありますが、、、忙しいんです。ほんと。

最近GMP監査のお仕事を・・

最近、よくGMP監査の依頼を頂くようになりました。

依頼主は海外からで、GMPといっても内容は様々です。
化粧品原料、医薬品の原料(添加剤)、API、そして医療機器・材料の原料。
以前は、医薬品(製品)の工場監査の依頼もありましたが、最近は、上記の原料の監査がほとんどです。

使用するスタンダードは、ICH-Q7、ISO-13485、化粧品についてはEFfCIのつくったGMP基準とさまざまですが、
ポイントとなる考え方はそうは違わないので、なんとか対応できています。

また、最大のポイントは、MAHの会社へのリスクへの対応で、そこを中心にマネジメントできている体制であるかどうか、
を監査実施の際のポイントとしています。

全体を網羅してみることができれば、このあたりもよく見えてきます。

このあたりのヒントも、そのうち、この中に書いていきたいと思います。

薬事勉強会はじめました。

内わの話ですが、うちのスタッフ2人を対象に、
薬事の勉強をはじめました。

私の仕事の内容を理解してもらうには、まだまだ相当な時間がいりそうですが、
少しづつでも、理解が深まり、私の、会社のビジネスのエキスパンドに役に立ってくれればと思います。

先週から始めましたが、先週は、いま和訳をお願いしている、欧州GVP規制についてでした。
これについては、翻訳を通じて、日本の規制とも対比しながら勉強を進めようと思っています。

それから「GCP」
こっちも同じく、SOP通りの計画をたてて、スタッフ等を対象に勉強会を進めていきたいと思っています。

内容については、随時、ブログにもアップしたいと思います。

それでは、今日も一日頑張りましょう。

GxP QA コンサルタントという仕事 GCPについて(9) 実施医療機関

また、ブログの間があいてしまいました。
理由は「忙しかった」の一言になりますが、
事務所開設依頼の事務所体制の整備、仕事の〆切、海外出張などなど。
いつものことであるが、メール一つ、電話1本ですむようなことについても、その「時間がない」と感じる今日この頃。
友人から「忙しい」をブログに書いちゃダメ、といわれるが、ときどきはお許しいただきたい。

私のブログ、Facebookは、多くは走る話題。
100kmマラソンの時の膝の負傷もほぼ癒えてきたので、改めてランニング活動も始動しました。
次は12月8日の青島太平洋マラソン 3年ぶりくらいになるような気がしますが、3回目です。
練習不足ではありますが、とりあえず走ってきます。

————————————————————————–
さて、今まで、GCPについて、スポンサー(治験依頼者)の立場で、その役割を書いてきましたが、
今回は、実施医療機関の立場について、少し書き始めてみたいと思います。

臨床試験は、多くは製薬会社が企画・計画し、医療機関で実施する、という流れになります。

臨床試験を実施する前に、毒性試験、薬理試験、薬物動態試験など、非臨床試験と呼ばれる一連の試験を実施しますが、
これらは、一つの場所、研究所で実施されるので、比較的コントロールは容易です。
といっても、非臨床試験の中でも細かいルールがあり一概にそういうこともできないではありますが、

臨床試験と非臨床試験の一番の違いは、
1.試験を計画した人と実施者が違うこと
2.多くの場合、試験の実施現場が多施設にわたること

他にもありますが、上記の2つの要因が、臨床試験の難しさを感じるところです。
自分以外、自社以外の人たちの協力を得て、試験を実施することになるので、「暗黙の了解」は禁物で、
参加するさまざまな人たちを統制できるルールを整備しないと試験が成立しません。

臨床試験を実施するためには、治験依頼者の中の役割も相当量がありますが、医療機関に役割もまた大変で、
もし、一人で全部をやろうとすると、気が遠くなりそうな作業量があります。

さて、前置きがまた永くなってしまいましたが、
臨床試験を実施するうえでの、実施医療機関の中の役割としては、以下のような登場人物、機関があります。
1.実施医療機関(Institution)
2.治験責任医師(Principal Investigator)
3.治験分担医師(Sub-Investigator)
4.治験コーディネータ(Clinical Research CordinatorまたはStudy Nurse)
5.治験薬管理者(Pharmacist)
6.治験事務局(日本のみ)
7.治験審査委員会(Institutional Review Board)または治験倫理委員会(Ethics Committee)

海外では、極端な話ではありますが、治験責任医師と治験審査委員会があれば治験の実施は可能ですが、
日本では、100%ではありませんが、上記のスタッフがそろっていないと治験の実施はできません。

まず、1の実施医療機関ですが、
海外では、臨床試験を製薬会社と治験責任医師の直接契約で実施するので、
この規定はありません。しかし、日本では臨床試験を実施する場合、まず、医療機関と契約することになるので、
ICHでも実施医療機関の言葉もでてきます。

最近は、治験を請け負う医者(MD)の方も、特定の医療機関に所属せず、専門医として、さまざまな医療機関と契約して活動される先生も多いので、治験の現場では日本でもかなり欧米化が進んでいるようにも思えます。
しかし、お医者さんは、医療機関に属する(雇用されている)というイメージがあるのか、日本では、この規定があります。

その中で、その役割として、
治験責任医師、分担医師の指名、
治験薬管理者の指名などの役割があります。

治験を請け負う医療機関では、手順書・規定も整備しておかないといけないので、
これらの役割については、病院長の名前が、治験契約、治験の依頼、治験の審査などの場面で、出てくる程度になります。

無視することはできませんが、臨床試験の現場では、ほとんど名目上の登場になっているように感じることもあるので、
おそらく、10年度?くらいには、日本での臨床試験でも、GCP上のこの役割はなくなっているのではないかと思います。

しかし、この項目については、日本では無視できない項目ですので、
改めて別の機会、GCP適合性調査の場面を想定した内容の説明を考えていますので、そこで、話をしたいと思います。

次に、
2.治験責任医師、治験分担医師についてですが、
臨床試験を実施する最も重要な役割になります。臨床試験で計画されている内容をカルテ中に、被験者を評価した内容および結果、試験の実施内容を記載し、その結果現れる症状を記載していきます。

つまり、このデータが「生データ」、治験では「原資料」といい、臨床試験の大元のデータとなります。
このデータが、医薬品の開発の中で必要とされているデータであり、このデータを得るために、また、正確なデータを得るために、
組織体制および試験のプロセス管理がGCP(Good Clinical Practice)として要求されています。

カルテへの記載内容が、医師の最大の役割ですが、
被験者の数が多くなり、タイミングも一様ではないので、これらの医師の役割を補完する役割として、

3.治験コーディネータの役割があります。
もともと、臨床検査技師や看護師、薬剤師といった資格をもった人が、
その資格でできる医療行為(投与、採血、カルテへの実施内容の記入等)を治験責任医師に変わって代行します。

治験でカルテが原資料になりますが、
このデータを計画した試験通りに整理して、収集するために被験者ごとに、「症例報告書」という書式が用意されます。
ここに治験で計画したデータを収集していくことになりますが、ここで原資料から症例報告書への転記という作業が行われますが、
この作業を主にCRCが実施し、その記載内容を治験責任医師が確認し、治験依頼者へ報告していくという流れで、治験が実施されていくことになります。

次に、
4.治験薬管理者ですが、
治験薬の管理手順書という文書が、治験依頼者から作成され、治験実施医療機関の薬剤部、もしくは治験事務局の中に設置された薬剤師が、治験薬の保存、払い出しおよびその記録を担当します。

また、役割の手順にもよりますが、盲検試験を実施している時は、その盲検性がきちんと保たれているかどうか、については
治験薬管理者の作業内容も重要になってきますので、その手順に従った、適切な管理が必要になってきます。

5、IRB(治験審査委員会)については、
また別の機会にも説明しますが、治験が実施されるにあたり、被験者、患者の人権および安全を守るために、
利害関係のない第三者である専門家にその判断をゆだねたものであり、

日本では、主に各実施医療機関に設置されており、
海外では、地域および中央にそれぞれ治験審査委員会または治験倫理委員会という名称で、設置されています。

例えばヨーロッパでは、臨床試験を計画するに当たり、
治験の計画を規制当局に申請して、治験を実施することになりますが、
規制当局への申請とともに、Ethics Committee(倫理委員会)にも、同様に必要な資料を提出し、
所定の期間内にコメントが帰ってこないことを確認してから、治験を開始するようになっていますので、
その役割の重要性は理解できるものと思います。

さて、ここまで、GCPについて、治験依頼者(スポンサー)の役割及び実施医療機関の役割について、述べてきましたが、

次回からは、
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の書面調査・実地調査の内容に沿って、
治験の実施に必要な事項を解説していきたいと思います。

重複する内容も多くなりますが、
角度を変えてみることで、その理解は進むものと思いますので、私自身の再理解も含めて、書いていくことにします。

GxP QA コンサルタントという仕事 GCPについて(8)

先日、東京で「欧州・米国の薬事制度の基礎」ということで、12:30~16:30の4時間話をしました。準備不足で、前の日はほぼ徹夜になった仕事でしたが、なんとか終わりました。

範囲がブロードで、どこに焦点を当ててしゃべればよいのか、私自身も分かりにくいところがあったので、用意した資料も”浅く広く”そのものの資料となりました。

具体的には。
欧州のEMA、米国のFDAについての組織や役割について、
ICHについて
臨床試験の実施について、
GLP、GCP、GMP、GVP等の内容と国際的なハーモナイズの状況について
という感じのもの、

また、各薬事規制分野について、GLPについてはOECD、GMPではPIC/S、GVPではEu-Guidelineで、いずれも欧州が、世界の薬事規制をリードしている状況を説明しました。

本当は、こういう説明の中から、どこかの分野で深堀して、話をしたいところですが、
集まった方たちも、本当にさまざまな立場で来られていたので、できるだけ質疑を中心に話せるようにしていきました。

講義の内容は、個人的には”いまいち”になってしまった感がありますが、
受講者はともかく、私のほうはこれでも、準備で勉強させてもらったので、収穫はあったように思います。

さて、前置きが長くなりましたが、今日は、
——————————————————————-
GCPにおけるスポンサー(治験依頼者)の仕事の最後、”治験薬管理”

1. モニターまたはCRA(Clinical Research Associate)
2. QC担当者
3. データマネージメント
4. 統計解析
5.メディカルライティング
6.治験薬管理
——————————————————————-
について少し説明をします。

治験薬に関しては、
1.治験薬の製造・出荷(治験薬GMP)
2.治験薬の保管・供給(保存、ラベリング、出荷体制、使用済み治験薬の管理)
3.治験薬取り扱いに関する治験実施施設への指導(取り扱い手順書の作成、盲検性の維持)

こんなところが、仕事になってきます。
1.の治験薬GMPについては、日本ではGCPの範疇として処理されていますが、
欧米では、ほぼGMPの範疇として規制されています。

実際、GCP査察の時には、治験薬GMPについての調査はほとんど行われず、
PMDAのチェックリストの中にも、具体的な内容は含まれていません。
しかし、当局より、基準として示されており、最近では欧米でも、治験薬段階のGMPについては、指示内容が示されていますので、順守していなければ、バイオレーション(GCP違反)ということになります。

しかし、EMAの査察では、治験薬GMPについてもGCP査察の現場で確認する準備があるようです。
今までは、あまり確認されることのなかった治験薬GMPですが、今後は徐々に、高いレベルでの管理が必要とされるようになるようです。

このあたりの状況についての詳しい内容は、GMPを説明するときに、改めて紹介したいと思います。

2.の治験薬の保管、供給についてですが、
ICH GCPでも、下記の5.12~5.14にルールの内容が比較的詳しく記載されています。
5.12 Information on Investigational Product(s)
5.13 Manufacturing, Packaging, Labelling, and Coding Investigational
5.14 Supplying and Handling Investigational Product(s)

また、日本のGCP基準では、
第16条(治験薬の管理)、17条(治験薬の交付)として、こちらも詳しく、ルールの内容が記載されています。
内容は大まかに言うと、
1)治験を開始する前に、治験薬の非臨床、化学特性関連の情報については、十分収集し必要なデータがそろっていることを確認すること
2)治験薬の保存を適切に行うこと(場所、セキュリティ)
3)医療機関との契約前に治験薬を交付しないこと
4)治験薬の出荷、受領、処分、返却及び廃棄の記録を確実に残すこと
5)盲検性の維持に関すること
6)医療機関で使用する治験薬管理の手順を準備すること。(医療機関と協議のうえ)
などの内容になっています。

詳しい内容については、ここでの説明は避けたいと思いますが、監査の時には、
・治験薬の保存場所の確認(セキュリティ)、
・冷蔵庫等を使用している場合は、冷蔵庫の維持・管理記録
・出荷・回収状況の確認
・回収した使用済み治験薬の保存場所の確認など。

を行います。
また、盲検性が重要な場合は、盲検性を維持するために決められたルールにのっとり、治験薬の管理者が動いているかなど、
インタビューおよび記録類の閲覧により確認していくのが、このパートの仕事になります。

治験薬については、この後説明する、臨床試験の実施医療機関での管理が、また重要な確認事項となりますので、
そことつなげて、一連の治験薬管理の流れを確認してもらえればと思います。

治験薬の管理で確保しておかなければならない大事な点は、1.セキュリティ 2.品質の維持の2つで、
これを治験薬の場合、製造所、治験依頼者、医療機関の中を移動していきますので、この間の流れを上記の2つの重要事項が維持が適切に行われているかどうかを確認して行くことになります。

規制を読むといろいろ書いてありますが、実際の監査の現場では、まずは、上記の点を確認していっている感じです。
そうすることで、おかしいと思ったところについて、条文を読むとそれに関する記述がある。。といった感じでしょうか。

最後は、感覚的な話になってしまいましたが、治験薬の管理については、ここまでとします。

次回からは、実施医療機関内での臨床試験を行う上での役割について、書いてみます。

以上。