GxP QA コンサルタントという仕事 GCPについて(3)
昨日は北九州市立大学で、Toastmasters Club の 11/17に行われるTall Tale スピーチコンテストの全国大会のリハーサルでした。私の役割は英語コンテストの総合司会で結構みっちり練習させられました。話す感覚も少しわかってきたので、練習のかいはあったように思います。
それに、足。いつもの愚痴になりますが、今日は完全に悪化していて、普通に歩いていても痛い状態でした。とても走れる状態ではない。。。憂鬱になります。10/20のウルトラはとても無理そうです。しかし、まだあきらめはつきません。なんとかならないものか。。。。
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さて、今日は、前回の臨床試験の話の続きになりますが、
製薬会社、医療機関で臨床試験を担当する各職務について、簡単に解説していきたいと思います。
ここで書いた役割を全部説明していくと、またかなり時間を食いそうなので、
今日は、製薬会社のほうから説明します。こちらだけでも、役割はたくさんあるので、途中までになるかもしれませんが、できるところまで書いてみます。
まず、製薬会社のことを臨床試験では、多くの場合「治験依頼者」と呼びます。
多くの場合というのは、最近は(平成18年から?)医師主導治験という臨床試験もGCPの適用範囲に加わってきたので、治験依頼者=製薬会社という構図以外の臨床試験も実施されるようになったからです。
そのなかで、治験の流れとしては
1.治験実施計画書を作成し、
2.治験薬概要書を作成し、
3.臨床試験の実施医療機関を選定し、
4.臨床試験を実施(治験薬の投与)、
5.臨床試験データを収集、評価し、
6.治験総括報告書にまとめる。
というような流れになります。
この流れの全体を統括する役割が、プロジェクトリーダー/マネージャーと呼ばれる存在で多くの場合、実施医療機関のモニタリングを担当する部署から、リーダーが選出され、その中で、治験ごとの役割がアサインされます。プロジェクトリーダーは、治験全体を統括し、治験依頼者がわの総責任者となります。
このプロジェクトリーダーが統括するのが、下記のような業務になります。
製薬会社によって多少の違いはあるかもしれませんが、多くは次のようなものになります。
1. モニターまたはCRA(Clinical Research Associate)
2. QC担当者
3. データマネージメント
4. 統計解析
5.メディカルライティング
6.治験薬管理
このほか、資料保存、SOP管理、教育訓練などを担当する部署があり、それぞれの役割があり、治験依頼者としての全体の臨床試験の実施体制ができます。
また、これらとは別に「監査」という部門が、上記の部署とは独立して組織され、治験全体の妥当性を評価します。監査については、別でまた説明しますが、ここでは1~6の業務について簡単に説明します。
1. モニターまたはCRA(Clinical Research Associate)
業務的としては、”モニタリング”つまり、”監視”が仕事になります。
しかし、ただ監視するだけでは、治験が適切に行われなかったとしても是正することができませんので、監視に加え、治験を適切に実施してもらうために”誘導”していくことが大きな仕事になります。
具体的には、臨床試験を委託する実施医療機関で実施される臨床試験が試験実施計画書(プロトコール)に記載された内容できちんと行われることを誘導するのが仕事になりますが、下記のような手順でモニタリング活動は行われます。
1) 実施医療機関の要件確認
2) 実施医療機関へのプロトコールの説明
3) IRBへの対応誘導
4) 必須文書管理に関する誘導(SMFのフォーマットの提示等)
5) 患者(被験者)の登録状況の確認
6) 治験の進捗状況の確認(定期訪問)
7) SDV(症例報告書への記載内容の確認、カルテとの整合性確認)
8) 症例報告書への記載内容およびAEに関するクエリー対応
9) 治験実施計画書からの逸脱事項への対応
10) 治験終了手続き
モニタリングの活動を行う担当者のことをモニターもしくはCRA(Clinical Research Associate)と呼びますが、治験を実施していく中で、もっとも重要な業務になります。モニタリング活動が不十分であると、治験データそのものが使えないものになってしまいます。
使えないと、申請データが十分に収集できないことになりますし、被験者(患者)に対して倫理的にも問題のある行為となる可能性があります。ですので、モニターを担当する人はそれなりの責任感が必要になります。
話の途中ですが、今日はこのあたりにしておきます。
このあと、続きの下記の役割について、説明することにします。
2. QC担当者
3. データマネージメント
4. 統計解析
5.メディカルライティング
6.治験薬管理
それでは。